設計・計測データや都市モデルとゲームエンジンで実現する、
リアルタイム3D都市空間ビジュアライゼーション
道路や建造物を含む街並みや景観などをリアルタイム3DCGで仮想空間に生成し、各種シミュレーションなどにご活用いただける環境を構築します。
自動車やドローンなどモビリティ製品の運転試験や自動運転用学習データの生成、ドライバー視点での走行時における見え方の確認、建築物の施工後の現場状況や都市開発後の周辺地域を含めた状態、災害の影響シミュレーションなど、実際にどのような状態になるのか、現実に近いイメージで確認するための体感型シミュレーション環境としてのご利用が可能です。
当社では、CAD、BIM/CIM、点群などの設計・計測データや国土交通省の都市モデルデータベース「PLATEAU(プラトー)」のほか、道路標識や車両、人物などを含む当社独自の市街地アセットモデルを活用することで、フォトリアルにビジュアライズされた都市空間をゲームエンジンによるデジタルツイン/メタバースで構築します。
PLATEAU
航空測量等で取得されたデータから生成した日本全国の3D都市モデルが無償でダウンロードできる、国土交通省が主導のオープンデータ化プロジェクト。
ゲームエンジン
リアルタイム3Dエンジン、リアルタイム3D制作プラットフォームとも呼ばれる、コンピューターグラフィックスによるアプリケーションやコンテンツ開発において必要なライブラリやツールなどの機能がまとまったGUIベースの統合開発環境。高品質な3Dグラフィックスを比較的簡単に作成できる仕組みが揃っているため、近年はゲームや映像コンテンツのみならず、自動車や建築、製造業などの産業分野で活用が進んでいる。米Unity Technologies社の「Unity」と、米Epic Games社の「Unreal Engine」が高いシェアを誇る。
デジタルツイン
現実空間に実在している物体や環境に関する情報を収集し、仮想空間に再現する技術。
メタバース
利用者が自分の分身(アバター)を通して現実世界と同様の活動ができる、インターネット上の3DCGによる仮想空間。
空間ビジュアライゼーションにより実現できる主なユースケース
現在の街並みを測定した点群データや「PLATEAU」などの3D都市モデル、設計データから制作したCG、市街地アセットを組み合わせることで、以下のようなユースケースに対応します。
都市開発・建築施工シミュレーション環境
図面やパースだけでは難しい、開発後の様子を自由に体感できるリアルな仮想空間を構築します。
住民説明会や住宅の施主向けプレゼンテーション、販促プロモーションなど、さまざまな用途でも活用いただけます。
走行・飛行シミュレーション環境
自動運転の学習のために必要な走行シーンや学習ロジックの検証、ドライバー視点での見え方の確認、運転トレーニングなどのための環境を構築します。
実際には入ることができない私有地や実在しない空間も、CGで制作された仮想空間なら対応することが可能です。
災害シミュレーション環境
豪雨や河川の氾濫の際に発生する水位の上昇など、視認性に優れたリアルに体感できる災害シミュレーションを実現します。
3D都市モデルデータやその他のGIS情報をゲームエンジンに取り込むことで開発します。
当社独自の知見、技術、資産を活かした定評のあるクオリティ
ゲームエンジン
当社ではゲーム、エンタメ分野からビジネス分野に至るまで、さまざまなゲームエンジンを活用した案件を数多く請け負う中、多種多様なニーズに対して柔軟に対応できるスキルと体制を整えてまいりました。
ゲームエンジンは3Dグラフィックスの高精度な描画や物理計算機能などを備えているため、時間や日照条件、天候の変化、周辺環境と並んだ際の見え方の違い、光源や効果音などのエフェクトの追加といった表現も自由自在です。上空から見下ろしたバードビューや歩行者目線でのウォークスルー、車目線での走行など、既存のツールによっては実現することが難しい体感型の空間ビジュアライゼーションを実現できます。
都市モデルデータベース「PLATEAU」
「PLATEAU」で提供される都市モデルデータは、一部の都市部を除くと、屋根や外壁のテクスチャがなく見た面が豆腐のような真っ白な箱モデル(LOD1)がまだ多数を占めているのが実情です。
当社では、LOD1の建物について、負荷が高くならないように動作環境や利用用途に応じて最適なテクスチャライズを施します。現在はさらなる業務効率化を図るべく、窓・ドアを自動生成し、実画像を入力としてビルの色を自動計算する技術開発にも取り組み、検証を進めているところです。
さらにフォトリアルな空気感のある表現を目指し、 「PLATEAU SDK for Unreal」を用いた「Unreal Engine 5(UE5)」への取り込みや「PLATEAU SDK for Unity」の検証にも取り組んでいます。
【PLATEAU活用事例】東京上空ドローン飛行シミュレーション(EXCITEC株式会社)
市街地アセットモデル
当社では、ゲームエンジンのアセットストアや「PLATEAU」では提供されていない、日本国内の道路で使用されている道路標識や路面表示、信号機やガードレール、自動車や人など、高品質な自社開発アセットパーツを多数保有しています。標識の形状ゆがみ、錆、塗料の退色、路面表示・区画線のかすれやひび割れといった経年劣化の再現や、信号機の点灯・点滅表示も可能です。
道路付属物の位置情報を活用した「PLATEAU」への市街地アセット自動配置
「PLATEAU は航空写真と建物情報を主体とする3Dモデルデータのため、道路に関してはテクスチャや標識などの細かい情報がありません。
当社では、道路標識や信号機、横断歩道や停止線、ゼブラゾーンなど、地図データに含まれる道路付属物の位置情報をパートナー企業から入手し、それに基づいて実際の位置に独自アセットを自動的に付与する技術を開発しています。
PLATEAUに当社独自開発の高品質な3Dアセットを組み合わせることにより、フォトリアルな都市空間シーンを効率的に実現することが可能です。