デザインレビューソリューション
CADやビジュアライゼーションツールで制作したプロトタイプも、ゲームエンジンを活用すれば、実際に利用しているようなシーンを仮想環境で再現することが可能です。
日照条件や天候の変化、場所や使われ方、競合他社製品と並べた際の見え方の違い、効果音の追加など、既存のツールでは実現することが難しいワンランク上のバーチャルプロダクトデザインレビュー環境を構築します。
リアルタイム3DCGによる仮想デザインレビュー環境は、自動車などのモビリティ製品のほか、さまざまなプロダクト開発の現場で採用いただけるソリューションです。既存のデザインレビューを実際のモックアップでの確認レベルにまで高めることにより、コスト削減、レビュー工程の効率化、製品の品質レベル向上が期待できます。
ゲームエンジンにより
デザインレビューワークフロー構築上の問題を解決
競争優位を勝ち取るために製品開発のスピードが重要視される製造業では、開発プロセス全体に大きく影響するデザインレビュー(DR)ワークフロー構築において、効率性や質の向上がますます求められています。既存のビジュアライゼーションツールやデザインレビューツールでは解決が難しい、さまざまな課題やニーズへの対応が必要です。自動車業界を中心に、CGによるデザインビジュアライゼーションが先行してきた企業では、それらの課題の多くがゲームエンジンの利活用により解決され始めています。
当社ではUnreal Engine(UE)やUnityをはじめ、さまざまなゲームエンジンを活用した案件をこれまで数多く手掛けてまいりました。
CATIAやCreoといったCAD、およびVREDに代表されるビジュアライゼーションツールなどの産業向けツールとゲームエンジンとの最適化された連携を実現し、やりたいことをどうやって実現すればよいかわからないお客様向けのコンサルティングから簡易デザインレビューツールの開発、お客様独自の高度なデザインレビューツール開発まで、お客様のニーズに対して柔軟に対応することが可能です。
ゲームエンジンとは
コンピューターグラフィックスによるアプリケーションやコンテンツ開発において必要なライブラリやツールなどの機能がまとまったGUIベースの統合開発環境です。高品質な3Dグラフィックスを比較的簡単に作成できる仕組みが揃っているため、近年はゲームや映像コンテンツのみならず、自動車や建築、製造業などの産業分野で活用が進んでいます。米Unity Technologies社の「Unity」と、米Epic Games社の「Unreal Engine」が高いシェアを誇っています。
ゲームエンジンへのデータ変換に課題のあるお客様には・・・
データ変換ソリューション
CADやビジュアライゼーションツールのデータをゲームエンジンに取り込む際には「マテリアルのデータが引き継がれない」「一部が欠損して正しく描画できない」などの問題はつきものです。データ修正や最適化など、ゲームエンジンで動かすためのパフォーマンスチューニングが必要となり、そのための手間と時間は開発プロセスを遅延させてしまいます。
当社なら、設計・デザインデータのゲームエンジン取り込み時における問題を独自のデータ変換ツールにより解決し、変換作業の効率化を実現させることが可能です。
データ変換ソリューション for VRED
もともとUnreal Engine 4(UE4)で標準提供されているデータ変換ツール「Datasmith」を使ってVREDのデータをUnreal Engin 4に取り込むと、一部のオブジェクトで質感データが欠損してしまう場合があります。
当社が開発・提供するDatasmithの拡張版データ変換ツールは、UE4上にVRED互換のマスターマテリアルを独自に整備し、白地になるなどの色の欠損をなくします。VRED上でのオブジェクトの見た目を高い精度で再現することが可能です。
やりたいことの実現方法に課題のあるお客様には・・・
デザインレビューシステム開発・提供&コンサルティング
CADやビジュアライゼーションツールのデータを活用し、デザインレビューに必要な様々な要素を盛り込んだソフトウェアをゲームエンジンベースで開発、ご提供いたします。
お客様の実現したいことをお聞きした上で、具現化するための手順の確立からサンプル作成、PoC(概念実証)、プロジェクト立ち上げ、開発・納品まで、フルサポートいたします。
マルチITベンダーである株式会社アルゴグラフィックスとの協業の下、CAD/ビジュアライゼーションツール、GPU、サーバー、ストレージ、ワークステーションといったIT製品群によるソリューション提供も可能です。
遠隔VRデザインレビューシステム
遠隔地からの複数人同時レビュー(操作)が可能なVRによるデザインレビューシステムです。
ローカルネットワーク内で通信するためセキュアな環境を実現します。各社通信セキュリティ(仕様)に合わせた拡張も可能です。
UE4のCollab Viewerベースの標準機能や独自機能を実装します。
Collab Viewer標準機能
- ボイスチャット(Voice Over IP)
- VR(HMD、VRコントローラによる操作)
- ウォークスルー・フライスルー・回転(ディスプレイ、マウスによる操作)
- アノテーション
- 距離計測
- パーツの半透明化・移動(※データの事前準備が必要です)
機能拡張例
- ターンテーブル
- 背景切り替え(屋外・屋内)
- 日照・天候条件変更
- 複数車種の配置
- パーツの半透明化・移動化対応の自動化、ほか
走行デザインレビューシステム
株式会社アルゴグラフィックスとの産業向けゲームエンジン活用に関する協業のもと、株式会社SUBARU向けに走行デザインレビューシステムを開発、提供いたしました。
3Dビジュアライゼーションソフトウェアで制作された車両モデルデータを取り込むと、走行状態を再現可能なデータに変換し、ワインディングロードなどを実際に走行しているようなシーンがリアルタイム3DCGで生成、描画されます。引き続き、Unreal Engine 5活用によるさらなる高品質化、車挙動のリアリティさの追求、悪路での走行シーンにおける砂・砂利・粉塵などのエフェクト追加など、デザインレビューの幅を広げるための取り組みを進めているところです。
設計・デザイン検証のための走行シミュレーター環境
日野自動車株式会社に対し、シミュレーターで商用車のリアルな「使用体験」を実現し、設計・デザインの早期検証に役立てたいという要望に応え、実際の交通ルールや対向車の影響などを考慮しながら走行できる現実に近い環境をUnreal Engineで構築・提供しました。
衝突回避ブレーキの発動距離、停止後のブレーキ解除およびアクセルのタイミングなど、Unreal Engineのロジックを組み合わせて作成されており、車種ごとの特性に合わせてモデルのチューニングを繰り返すことで開発されました。
また、時間帯による日照条件や天候変化を反映することも可能です。さらにコントローラーを使ったフリードライビングモードなども実装しています。