導入事例

走行状態を再現可能なデザインレビューシステム

株式会社SUBARU

株式会社SUBARUに対し、車両モデルデータを取り込むと、走行状態を再現可能なデータに変換し、ワインディングロードなどを実際に走行しているようなシーンがリアルタイム3DCGで描画できるデザインレビューシステムを開発・提供しました。(2023年1月発表)

SUBARU/アルゴグラフィックス/シリコンスタジオ

アルゴグラフィックスとの産業向けゲームエンジン活用に関する協業により提供

当社はアルゴグラフィックスとの産業向けゲームエンジン※1活用に関する協業のもと、SUBARU向けに走行デザインレビューシステムを開発、提供いたしました。

走行デザインレビューシステムは、設計中の車両を実際に走行しているような状態で確認できるシステムです。米Epic Games社のゲームエンジン「Unreal Engine 4(アンリアルエンジン 4)」を使用して開発されました。SUBARUが保有する3Dビジュアライゼーションソフトウェアで制作された車両モデルデータを取り込むと、走行状態を再現可能なデータに変換し、ワインディングロードなどを実際に走行しているようなシーンがリアルタイム3DCGで生成、描画されます。

取り込んだ3Dビジュアライゼーションソフトウェアの車両データに加え、あらかじめ走行デザインレビューシステムで用意した別の車両モデルと並走させることも可能です。また、走行車両に追従するカメラは、正面、俯瞰、CMモードなど、7種類を切り替えることができます。再生、一時停止、頭出しなどのアニメーション再生機能も実装されています。

走行状態を再現可能なデザインレビューシステム(1)

走行状態を再現可能なデザインレビューシステム(2)

当社では引き続きSUBARUからのリクエストに応え、Unreal Engine 5活用によるさらなる高品質化、車挙動のリアリティさの追求、悪路での走行シーンにおける砂・砂利・粉塵などのエフェクト追加など、デザインレビューの幅を広げるための取り組みを進めているところです。
この走行デザインレビューシステムは、当社とアルゴグラフィックスとの産業向けゲームエンジン活用に関する協業体制のもと、開発、提供されました。両社は今後も双方の強みを活かした協業により、CGおよびゲームエンジンを活用したソリューションを、自動車業界のみならず、幅広い業種・業界向けに展開し、日本の産業界におけるDX推進に貢献してまいります。

※1 ゲームエンジン:コンピューターグラフィックスによるアプリケーションやコンテンツ開発において必要なライブラリやツールなどの機能がまとまったGUIベースの統合開発環境です。高品質な3Dグラフィックスを比較的簡単に作成できる仕組みが揃っているため、近年はゲームや映像コンテンツのみならず、自動車や建築、製造業などの産業分野で活用が進んでいます。米Unity Technologies社の「Unity」と、米Epic Games社の「Unreal Engine」が高いシェアを誇っています。

走行デザインレビューシステムの紹介|UNREAL FEST 2023 TOKYO

2023年6月2日(金)、エピックゲームズジャパン主催による「UNREAL FEST 2023 TOKYO」において新規事業開発部の向井がSUBARU様と共に登壇し、「走行デザインレビューシステムの紹介」と題したセッションを持たせていただきました。
アーカイブ動画ならびに講演スライドが以下のURLからご参照いただけます。

▼動画
www.youtube.com/watch?v=dcWYiLHL47Y&feature=youtu.be
▼スライド
www.docswell.com/s/EpicGamesJapan/ZENL1D-UE_UF23T_SUBARU_SiliconStudio

なにからはじめる? デジタルツイン Powered by シリコンスタジオ
第2回: SUBARUの走行デザインレビューシステム その開発の舞台裏

開発に至った背景や使用されている技術については、「CGWORLD.JP」の連載企画「なにからはじめる? デジタルツイン」第2回にてSUBARUの宇木様と当社の向井との対談形式で解説しています。
工数削減や利便性向上といった現状改革のためでもありながら、クオリティ追及や新たな業務フローの構築といった未来志向性もある本プロジェクトについて、その開発の舞台裏に迫る内容です。

記事を読む

  • 自動車とは走るもの。デザインレビューも走行状態で行いたい
  • フェーズ1:「既存データの活用」と「利便性の向上」を目指す
  • フェーズ2:「汎用性の拡大」と「リアリティの向上」を目指す
  • 完成を見た走行デザインレビューシステム、その先にある展望と今後のデジタル活用

 

第2回: SUBARUの走行デザインレビューシステム その開発の舞台裏
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