ゲームエンジンを活用した課題解決方法がわかる! 導入事例集10選

導入事例

西松建設|Unityを活用したROS連携によるトンネルデジタルツイン構築支援

西松建設株式会社

西松建設による山岳トンネルデジタルツインプラットフォーム構築において、UnityとROS※1との連携によるデジタルツインを活用した可視化技術で支援しました。(2025年6月)

山岳トンネルデジタルツインプラットフォーム

現場トンネル内の環境や建設重機の状態を仮想空間にリアルタイムで可視化

山岳トンネルデジタルツインプラットフォームは、建設機器やトンネル内部の状態など複数の情報をリアルタイムに可視化することにより、各種情報の共有や課題の早期発見、安全性の確認やルートのシミュレーションなどを実現するために活用されるものです。
当社は、3Dグラフィックスで仮想空間にトンネルを再現し、現場トンネル内の「環境データ」および⼈・重機の「位置データ」を仮想空間にリアルタイムで取り込んで反映・表示する仕組み部分を開発しました。開発にはゲームエンジン※2「Unity(ユニティ)」を使用しています。


西松建設様による山岳トンネルデジタルツインプラットフォームの紹介動画


山岳トンネルデジタルツインプラットフォームにおける当社の開発範囲

山岳トンネルデジタルツインプラットフォームにおける当社の開発範囲

リアルタイム転送に転送されるデータ反映と4つの視点切り替え

環境データは、温度、湿度のほか、風速、気圧、照度、CO2濃度、電流値などが含まれます。2DグラフィックスによるGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)で表示・更新される仕様です。
位置データは、トンネル切羽で掘削作業を行っている⼈・重機の位置や姿勢、稼働状態などが含まれます。専用クラウドからリアルタイムに転送されるROS2データをUnityでデータ変換処理し、3Dモデル化した重機本体およびパーツに反映することで、移動・回転などの動きを再現しました。仮想空間内の重機はトンネル仕様のホイールローダー(サイドダンプバケット仕様)です。図面および点群データ3を元に3Dモデル化しました。

画面表示は、4つの視点切り替え(自由視点、運転席視点、追従視点、切羽側視点)が可能です。また、「通常モード」のほか、ワイヤーフレームと透過マテリアルによる「透過モード」に切り替えることもできる仕様になっています。

現場トンネル_山岳トンネルデジタルツインプラットフォーム

現場トンネル
デジタルツイン(通常モード)_山岳トンネルデジタルツインプラットフォーム

デジタルツイン(通常モード)

デジタルツイン(透過モード)_山岳トンネルデジタルツインプラットフォーム

デジタルツイン(透過モード)
デジタルツイン(通常/透過ハイブリッドモード)_山岳トンネルデジタルツインプラットフォーム

デジタルツイン(通常/透過ハイブリッドモード)

 

なお、このたびの山岳トンネルデジタルツインプラットフォームの構築支援について、西松建設の山本様より以下のコメントをいただいております。

弊社では西松DXビジョンを策定し、DXで実現する西松の姿として「現場力がシンカしたスマート現場」を目指しています。その中でも、特に山岳トンネル工事の無人化・自動化を重点テーマとして技術開発を行っており、デジタルツインからの自動化を目指したプラットフォームの構築を開始しました。デジタルツイン構築にあたっては「Unity」をはじめとしたゲームエンジンの活用が不可欠だと考え、過去に実績のあったシリコンスタジオ様にお声がけをしました。シリコンスタジオ様は我々が持つ課題を自分事と考えて、こちらが思いつかないアイデアや機能を提案してくれるので頼りにしています。今後も3次元点群データの活用や施工シミュレートなど山岳トンネルデジタルツインプラットフォームの機能を拡充し、山岳トンネル工事の自動化を目指します。

 

西松建設株式会社 技術研究所 土木技術グループ 上席研究員 山本 悟

※1 ROS:ロボットアプリケーションを開発するためのオープンソースのフレームワークとツールセット
※2 ゲームエンジン:コンピューターグラフィックスによるコンテンツ開発に必要なライブラリやツールなどの機能がまとまった統合開発環境

関連するタグ

ご相談・お問い合わせ

お客様の条件・ご要望に合わせ、
柔軟性を持って対応いたします。
シリコンスタジオにお気軽にお問合せください。

相談する

資料請求

事例集やサービス資料、動画など
お役立ち資料をダウンロードできます。

資料ダウンロードする

電話でのお問い合わせ

03-5488-7481

平日 9:30~17:30 土日祝休

ページの先頭に戻る