EV転換シミュレーター「FACTEV」
株式会社ディー・エヌ・エー
株式会社ディー・エヌ・エー(以下「DeNA」)からの委託を受け、EV※1の実用航続距離や導入効果予測を見える化するEV転換シミュレーター「FACTEV(ファクティブ)」の開発に協力しました。(2023年04月11日発表)
EVの実用航続距離・導入効果予測の見える化で法人のEV導入を加速
DeNAが提供するEV転換シミュレーター「FACTEV」は、法人のEV普及を促すため、2023年4月1日よりオートリース会社向けに試験提供が開始されました。EV普及のボトルネックになっていた「実用航続距離」が、車両データを取得せずとも簡単にシミュレーションすることが可能です。車検証や定期点検情報、運行管理台帳情報などの基本情報で、車両の使われ方を推定します。さらに、走行地域の道路特性や気象情報などの情報を分析に用いることで、用途に合った候補EVを選定し、実用性能(実用航続距離やバッテリー状況)や導入効果をデータで提供します。シミュレーションには、新たに情報(車載器から取得するCAN※2データなど)を取得する必要がないため、すぐに候補EVの提示や、実用性能や導入効果予測をお客さまに提示することが可能です。
当社は、2022年6月よりDeNAから開発を受託し、共に技術検証をしつつ仕様を固め、相談しながら開発を進めてまいりました。
フロント部分は、ユーザインタフェース構築のためのJavaScriptフレームワーク「React」と、React用のUIコンポーネントフレームワーク「MUI」を利用した、SPA(シングルページアプリケーション)のWebアプリケーションです。 バックエンド部分は、Google Cloud上で「Cloud Firestore※3」と「Cloud Functions for Firebase※4」、「BigQuery※5」などを利用して開発いたしました。
DeNAは、EVの導入を加速させるソリューションとして、2024年度に「FACTEV」の商用化を目指しています。さらに、EV導入後の運用支援を見据え、今後はコネクテッドデータを含む各社のさまざまなEVデータをクラウド上で編集・加工(実用性能、導入効果、バッテリー寿命などの予実管理、見える化など)するとともに、各社のEV情報を共通形式で各種サービス事業者(フリート管理、カーシェアリング、エネルギー、保険など)に提供するシステムの構築を目指しています。 当社は、今後もDeNAが目指すEVの普及と運用を通じた脱炭素やサーキュラー・エコノミー実現への貢献を支援すべく、課題解決を図りながら引き続き開発協力してまいります。
※1 EV:「Electric Vehicle(エレクトリックビークル)」の略。動力にガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関を持たず、バッテリーに蓄えられた電気を動力源としてモーターを駆動する自動車。
※2 CAN:「 Controller Area Network」の略。 車両のセンサーや制御などに関わるさまざまな車両データが流れる車両内の通信ネットワーク。
※3 Cloud Firestore:Google Cloudが提供する 、 モバイルアプリやウェブアプリのデータの保存、同期、照会がグローバルスケールで簡単にできるデータベース。
※4 Cloud Functions for Firebase:Google Cloudが提供する 、 イベントドリブンのアプリケーションを作成するためのサーバーレスコンピューティングソリューション。
※5 BigQuery:Google Cloud が提供する 、 フルマネージドの完全にサーバーレスなエンタープライズデータウェアハウス。