建築・土木業界
2024.05.17
建築・土木現場の工事状況は遠隔臨場で確認可能!どのようなメリットがある!?
建設業の「2024年問題」を解消する手段として期待されているのがDX。
なかでも近年、遠隔臨場が注目を集めています。
遠隔臨場とは、建設現場や他の場所での管理・監督業務を効率化するために、ネットワークカメラやウェアラブルカメラを活用してリモートで映像と音声の通信を行う手段です。
本記事では、建築・土木業界の課題に対して、遠隔臨場がどのように課題に貢献するのか、シリコンスタジオの提供するソリューション・技術ではどのように課題解決の支援を行えるかについてご紹介します。
建築・土木の「現場」に関わる様々な課題
建築・土木業界には、以下のような課題があります。
- 人手不足
- 安全対策
- 作業オペレーションの効率化
人手不足
建築・土木業界の課題の1つが人手不足です。
年々、同業界における労働人口は減少しており、技術継承の問題も懸念されています。
一方、建設の需要は増加しており、人材供給が追いついていない状況です。
出典:国土交通省「最近の建設業を巡る状況について【報告】」
安全対策
建設現場での作業は危険を伴います。
そのため、適切な安全対策を講じることが重要です。
具体的な対策としては、作業員の教育・訓練、適切な保護具の着用、危険箇所の適切なマーキングなどが挙げられます。
作業オペレーションの効率化
建築・土木業界では、作業オペレーションの効率化も求められています。
短い工期を設定することで、作業者の負担が増加し、長時間労働が発生しやすい点が課題です。
余裕を持った工期を設定することで、労働者の健康と生産性を向上できます。
またロボットやAI、クラウドなどを活用してDXを推進することにより、手動作業を自動化し、生産性を向上させることが可能です。
建築・土木の「現場」で起こっている課題の理由・背景
前述した建築・土木業界の課題が発生する背景や理由は、以下のとおりです。
- 少子高齢化
- 厳しい労働環境
- 低い給与水準
近年、我が国は少子高齢化が進み、労働人口が減少傾向です。
特に、建築・土木業界における若者の労働者不足は顕著といえるでしょう。
また若者にとって、建設業の印象が危険な作業や長時間労働といったものであるため、新規雇用が難しい状況です。
さらに、建設業の賃金は他の業界に比べて低く、特に日給制を採用している場合、収入の安定性が低いことが新規雇用の妨げとなっています。
遠隔臨場を取り入れて課題を解決する方法
建築・土木業界の課題を解決する方法として、注目を集めているのが遠隔臨場です。
以下は、遠隔臨場について簡単にまとめたものです。
- 国土交通省が推進
- 2020年度から建設現場の「遠隔臨場」試行が開始
- 「遠隔臨場」とは、動画撮影用のカメラ(ウェアラブルカメラ等)によって取得した映像及び音声を利用し、遠隔地から Web 会議システム等を介して「段階確認」、「材料確認」と「立会」を行うこと
ここでは、遠隔臨場を取り入れて課題を解決する方法をご紹介します。
業務効率化による人手不足の解消
遠隔臨場を導入することで、建設現場における待ち時間を削減し、発注者の現場臨場を減らせます。
ウェアラブルカメラやネットワークカメラを活用して、リアルタイムで現場の状況を確認することにより、効率的な作業を実現できため、人材不足の解消につながるでしょう。
早期トラブル検知による安全性の向上
遠隔臨場システムを使用することで、現場の映像と音声をリアルタイムで確認できます。
例えば、材料確認の際にウェアラブルカメラで撮影した映像を発注者が確認することで、仕様通りの材料が使われているかを確認することが可能です。
また、遠隔臨場を導入することで、事故や問題の早期発見が可能となり、安全性の向上を実現できます。
移動時間の削減による作業オペレーションの効率化
遠隔臨場を行うことで、発注者や管理者は現場に出向かずにリアルタイムで作業状況を確認できます。
移動時間を削減できるため、他の業務に時間を割くことができ、作業の効率化につなげることが可能です。
シリコンスタジオが提供する「3Dデジタルツイン」は工事状況などを確認できる
遠隔臨場の導入を検討している方は、当社シリコンスタジオが村本建設株式会社様に提供した事例を参考にしてみてください。
全国の現場に何度も足を運んで写真撮影や寸法計測をする施工検査の方法、測定デバイスの進化によって取得しやすくなった点群データの利活用に課題がありましたが、当社が提供した「現場で扱いやすいように軽量化されている」「BIMデータと点群データの重畳表示による進捗管理ワークフロー、多人数・多拠点のレビュー構築」といった特徴を持つ、BIM・点群データ活用ソリューションによって、実際に現場に行かずに複数拠点から複数人で視覚的に比較や確認が可能となりました。
また、時間短縮にも繋がりました。
このようにシリコンスタジオの3Dデジタルツインによるソリューションでは、遠隔臨場をさらに発展させた工事進捗のレビュー環境を構築することが可能です。
具体的にはBIM/CIMデータなどの設計データや点群データなどの各種センサーからの計測データを利用し、ゲームエンジンでリアルタイムCGを生成して、現場の状況を仮想環境に再現します。
遠隔地や複数拠点から、多人数でPCやタブレット、VRなどのデバイスを通じて進捗を確認できます。
情報共有と進捗管理の精度向上に貢献し、効率化や時間の短縮につながるでしょう。
特に人が立ち入ることができない現場では、遠隔臨場に代わる数少ない有効な現場確認手段といえます。
建機などの自動運転システムによる自動施工の実現においても、学習データやシミュレーション環境として活用が可能です。
〇村本建設様事例
関連ページ:Silicon Studio「BIM・点群データ重畳表示/多人数・多拠点設計レビュー」
遠隔臨場に代わる3Dデジタルツインの活用で建築・土木現場の課題解決につなげよう
遠隔臨場とは、建築・土木業界の現場における管理・監督業務を効率化するために、ネットワークカメラやウェアラブルカメラを活用してリモートで映像と音声の通信を行う手段です。
遠隔臨場を活用することによって、以下のようなメリットが得られます。
- 業務効率化による人手不足の解消
- 早期トラブル検知による安全性の向上
- 移動時間の削減による作業オペレーションの効率化
建築・土木業界の課題を解決したい場合は、遠隔臨場の導入によるDXの実現が1つの有効な手段であることは間違いありません。
しかし、人が立ち入ることができない現場への対応や無人化、自動施工を目指す上では、シリコンスタジオが提供する「3Dデジタルツインによる「仮想空間での工事進捗レビュー環境構築」がより課題解決に貢献できるでしょう。
シリコンスタジオでは、「建築・土木業界」の課題を解決するDXソリューションとして「3Dデジタルツインによる工事進捗レビュー環境の構築」を提供しております。
建築・土木業界の課題に直面している事業者の方は、お気軽にシリコンスタジオまでご相談ください。
■著者プロフィール:シリコンスタジオ編集部
自社開発による数々のミドルウェアを有し、CGの黎明期から今日に至るまでCG関連事業に取り組み、技術力(Technology)、表現力(Art)、発想力(Ideas)の研鑽を積み重ねてきたスペシャリスト集団。これら3つの力を高い次元で融合させ、CGが持つ可能性を最大限に発揮させられることを強みとしている。
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