インフラDXとは?国土交通省による推進状況を知ろう

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建築・土木業界

2024.11.15

インフラDXとは?国土交通省による推進状況を知ろう

新型コロナウイルスの感染拡大を契機とした社会経済状況の大きな変化によって、インフラ分野も対応していく必要性が生じたこともあり、デジタル庁の新設や「自治体DX推進計画」の実施など、政府はインフラDXの推進を本格的にはじめました。
この取り組みは、インフラ業界にどのような影響を与えるのでしょうか。

本記事では、インフラDXの目的や取り組み内容、進捗状況などをご紹介します。

インフラDXの概要

インフラDXとは、デジタル技術やデータを活用して、社会資本や公共サービスなどインフラ業界の業務効率化や改善を図り、社会全体の変革を目指す取り組みです。業務の効率化や省エネルギー化、コスト削減、安全性やサービスの向上が期待されます。また、新たなサービスやビジネスモデルの創出が期待されるほか、デジタル技術を活用することによる将来的な人手不足にも対応できる体制が整います。

出典:国土交通省「インフラ分野のDXアクションプラン(第2版)の策定

インフラDXの目的

以下は、主なインフラDXの目的となります。

  • 時間や場所を選ばずに手続きができるようにする
  • より正確な情報を元にコミュニケーションを取れるようにする
  • 遠隔操作による現場管理ができるようにする

時間や場所を選ばずに手続きができるようにする

行政手続きや各種申請をデジタル化することで、簡単に手続きを済ませることが可能になります。それに伴い、ペーパーレス化やタッチレス化が進むことが期待されます。時間や場所に縛られることなく、必要な手続きをすぐに行えるようになるでしょう。

より正確な情報を元にコミュニケーションを取れるようにする

3次元データやXR(拡張現実)技術を活用して、より正確な情報を元に関係者間のコミュニケーションを行えるようにします。現場の状況を正確に共有し、遠隔地からでもリアルタイムでの意思決定ができるようになります。例えば、Web会議システムを利用して、現場の状況を3Dデータで確認しながら議論することが可能です。

遠隔操作による現場管理ができるようにする

現場作業の遠隔化・自動化・自律化を進めることにより、現場にいなくても施工状況や進捗を管理することが可能になります。例えば、ドローンやセンサーを活用して、現場の状況をリアルタイムでモニタリングし、必要な指示を遠隔から出すことが可能です。また、災害時の迅速な対応や、定期的な点検作業の効率化も期待されています。

インフラDXのアクションプラン

インフラDX アクションプラン

インフラDXは3つのアクションプランによって構成されています。
ここでは、国土交通省が推進する3つのアクションプラン構成をご紹介します。

1)行政手続きのデジタル化

インフラ分野に関する各種手続きをデジタル化することで、Webシステムを活用したリモート手続きの推進、不要な紙書類の削減を目指すペーパーレス化、そして接触を避けるためのタッチレス化を促進しています。デジタル手続きでは、必要な情報の即時表示や申請を可能にすることが目的です。
また、複数の部署への書類提出といった煩雑な手続きを簡素化し、一元的にオンラインで処理できる体制を構築することを目指しています。

2)情報の高度化とその活用

情報を一元管理し、関係者間で正確かつリアルタイムな情報共有を可能にするために、国土交通省データプラットフォーム、道路データプラットフォーム、3D都市モデルなどのデータプラットフォーム構築を進めているところです。また、3次元データを使ったコミュニケーションを促進すべく、BIM/CIMによる3Dデータの活用、XR技術、Web会議システム、インフラデータの公開や利用を推進させています。
国民向けの情報提供も、3D映像を用いることで効果的に行うこと目指しています。

3)現場作業の遠隔化・自動化・自律化

建設現場で行われる各種作業(施工、進捗確認、災害復旧、点検など)におけるリモート技術や自動化、自律化のさらなる開発と社会実装を推進します。そのために、リモート化・自動化・自律化に関する技術基準の標準化や開発環境の整備、プラットフォームの構築にも取り組まなくてはなりません。

出典:国土交通省「インフラ分野のDXアクションプラン

インフラDXの基盤整備

インフラDXを実現するためには、以下のデータ基盤を整備しなくてはなりません。

1)国土交通データプラットフォーム
2)道路データプラットフォーム「xROAD(クロスロード)」
3)3D都市モデル「PLATEAU(プラトー)

ここでは、インフラDXの基盤整備についてご紹介します。

1)国土交通データプラットフォーム

国土交通データプラットフォームとは、国土交通省が保有する多様なデータを一元的に管理・提供するための基盤です。交通、インフラ、都市計画などの分野におけるデータを統合し、効率的なデータ活用を促進します。政策立案やプロジェクトの実施において、より正確で迅速な意思決定が可能となります。

2)道路データプラットフォーム「xROAD」

道路データプラットフォーム「xROAD(クロスロード)」とは、道路に関するデータを集約し、共有するためのシステムです。道路の状態、交通量、事故情報などをリアルタイムで提供し、道路管理や交通運営の効率化を図ります。また、異なる機関やシステム間でのデータ連携を容易にし、総合的な道路管理を実現することも目的です。

基盤となるデータには以下があります。

  • デジタル道路地図データベース(DRM-DB)
  • 道路基盤地図情報
  • モービルマッピングシステム(MMS)データ
  • レーザープロファイラ(LP)データ
  • 国土地理院地図

3)3D都市モデル「PLATEAU」

3D都市モデル「PLATEAU(プラトー)」とは、国土交通省が主導する日本全国の都市の3Dモデル化プロジェクトです。建物、道路、緑地などの詳細な3Dデータを提供し、都市計画や防災対策など、シミュレーションや分析に役立てられます。都市の発展や再開発、防災計画の策定において、より現実的で効果的なアプローチが可能となるのが、3D都市モデル「PLATEAU」を活用するメリットです。

関連ページ:Silicon Studio「都市モデル「PLATEAU(プラトー)」とは!?特徴や活用を解説

出典:国土交通省「インフラ分野のDXアクションプラン2
出典:国土交通省「道路システムのDX(xROAD)道路データプラットフォームの概要と今後の予定
出典:国土交通省「デジタルツインの実現に向けて連携を拡充 ~国土交通データプラットフォームでの3D地形図表示の実現と3D都市モデル(PLATEAU)等との連携~

インフラDXの進捗状況

2024年におけるインフラDXの進捗は、デジタル技術を用いたインフラのスマート化や自動化が着実に進んでいる状況です。特に、AIやIoT、ドローン、BIM/CIMの導入が普及し、3Dモデルの活用も進んでいることで、インフラの維持管理や災害対応の効率化が図られています。
また、国土交通省を含む多くの行政手続きがオンライン化され、ペーパーレス化やタッチレス化が推進されている状況です。

出典:IPA「DX動向2024
出典:国土交通省「i-Construction 2.0~建設現場のオートメーション化に向けて~

シリコンスタジオではインフラDXの実現に向けた支援が可能

シリコンスタジオは、3Dデジタルツイン技術を駆使したインフラDXの実現をサポートします。
3D都市モデル「PLATEAU」やBIM/CIMなどの設計データ、LiDARをはじめとした各種計測器による点群、フォトグラメトリなどを活用した3Dビジュアライゼーションによるさまざまなアプリケーション開発が可能です。

関連ページ:Silicon Studio「3D都市空間ビジュアライゼーション

インフラDXを現場に取り入れよう

インフラDXとは、デジタル技術やデータを活用してインフラ業界の業務効率化や改善を図り、社会全体を変革する取り組みです。国土交通省が推進するインフラDXの主な目的は、行政手続きのデジタル化、リアルタイムでの情報共有、現場作業の遠隔化・自動化を実現することです。

BIM/CIMや3Dデータ、XR技術の導入により、関係者間のコミュニケーションの質を向上させ、現場にいなくても作業の進捗を管理できます。また、国土交通データプラットフォームや3D都市モデルを整備し、政策立案や防災対策などでの効率的なデータ活用が進んでいる状況です。2024年には、AIやIoTを活用したスマート化や自動化の取り組みが着実に進展しており、ペーパーレス化やタッチレス化も推進されています。

シリコンスタジオでは、インフラDXを実現するための課題を解決するDXソリューション・技術を提供しております。是非シリコンスタジオにご相談ください。

■著者プロフィール:シリコンスタジオ編集部

自社開発による数々のミドルウェアを有し、CGの黎明期から今日に至るまでCG関連事業に取り組み、技術力(Technology)、表現力(Art)、発想力(Ideas)の研鑽を積み重ねてきたスペシャリスト集団。これら3つの力を高い次元で融合させ、CGが持つ可能性を最大限に発揮させられることを強みとしている。

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